【青春小説の傑作】「一瞬の風になれ」のあらすじと魅力【友情,努力,勝利,恋】

文学・小説

2007年の本屋大賞を受賞し、青春文学の傑作として名高く知られる「一瞬の風になれ」

誰もが学生時代を思い出して懐かしい気持ちになれると同時に、圧倒的疾走感を感じることができ、読んでいてページをめくる手が止まらなくなるような作品。

またただ面白いだけでなく、学びや教訓のようなものを得られるというのもこの作品の大きな魅力の一つです。

今回はそんな「一瞬の風になれ」のあらすじとおすすめポイントを紹介していきたいと思います!

面白い小説作品を探している方やあの頃を思い出したいという方にぜひ読んでいただきたい内容です。

それでは早速いきましょう!

「一瞬の風になれ」のあらすじ

サッカーで挫折した主人公神谷新二は、幼馴染で天才スプリンターの連と強豪とは言えない春高陸上部に入部する。

新二は陸上部で、スプリンター個人としての成長やチームで走る「4継リレー」での総体出場を目指す。

身の回りの天才や他校のライバルと競ったり、同じ陸上部のメンバーたちと支え合いながら、個人とチームの両方で目標を達成することに奮闘する新二。

そんな彼の高校陸上部での3年間の物語が濃密に描かれます。

「一瞬の風になれ」のおすすめポイント

陸上について深く知れる

題材が「高校陸上」ということで、物語を通じて陸上競技についてのあれこれを知ることができます。

陸上という競技の空気感やトレーニング法に大会事情など、その世界を垣間見ることができ、それまで馴染みがなかったという方には新しい世界を知るきっかけとなってくれます。

陸上経験者の方ならより深くこの作品を味わうことができ、懐かしい気持ちになれること間違いなし…

意外と知っているようで知らない陸上の世界について知ることができるのは楽しかったりもします。

そんな体験を味わいたいという方にとてもおすすめです。

絆やチームワークを感じられる

どちらかというと個人競技のイメージが強い陸上の中でも、リレーチームの絆や部活全体でのチームワークなどの団体要素が重要であるということを強く感じることができます。

僕自身、陸上は一人でひたすら努力を重ね、己と戦い続けるというイメージが強かったのですが、この作品を読んでそれが覆されました。

チーム内でのメンバー同士の信頼やサポート、さらには顧問の先生も含め陸上部の先輩から後輩へと代を超えて繋がれる思い。

そういったもの全てが実際にレースを走る選手のパフォーマンスに影響を与えるということをありありと感じられるような物語になっています。

テレビでやっている陸上競技の見方が大きく変えてくれるような力がこの作品にはあります。

青春といったら「恋」は切っても切り離せないですよね…笑

この作品では高校生らしい、初々しくてまっすぐな恋愛が描かれています。

一切の打算的感情を抜きにして、ただ純粋に好きな人のことを考えることができたあの頃。

そんな学生時代のことを思い出し、その当時の大きな感傷に浸らせてくれるような魅力がこの作品にはあります。

恋愛と部活に板挟みになって苦悩する、新二の純粋な恋の行く末にも注目です!笑

努力と成長を感じられる

人間的な成長

はじめは1年生だった新二も、当然ですが物語が進むにつれ学年が上がっていきます。

後輩から先輩となり、教わる側から教える側へと、その立場を変化させていきます。

当初は自分のことで手一杯だった新二が部長となってからは、チーム全体に目を向けたり、メンバーひとり一人に気を配って指導する様子にはハッとさせられることも。

また連もはじめは自分勝手ばかりだったのが、チームや先輩のために走ろうと変化していくのが印象的です。

部活やスポーツはただ技術や記録を伸ばすだけでなく、人間的な成長をも促してくれるものであることを改めて感じることができます。

技術的な成長とラスト

はじめは初心者だった新二が練習に練習を重ね、記録を伸ばしていく姿がとても印象的です。

雲の上の存在だった連や他校のライバルと切磋琢磨し、その距離を縮めていく様子には胸を打たれずにはいられません…

リレーの4継チームでもみんなで練習や創意工夫を重ねて成長し、着々とタイムを縮めていきます。

努力と成長という、これまた青春ど真ん中の要素をこれでもかというほど感じることができ、読んでいて「自分もがんばろう!」とも思されること間違いなし!

3年最後の大会では新二と連、そして4継チームが一体どのような結果を残すことができるのか。

新二の三年間を入学から追ってきただけにその大会には心動かされずにはいられないんですよね…

こちらのラストは必見なので、ぜひ原作を読んでいただきたいです!

まとめ

今回は「一瞬の風になれ」のあらすじとおすすめポイントを紹介させていただきました!

全部で3作に分かれておりページ数は多いですが、読み始めればあっという間に読み切ってしまう面白さがそこにはあります。

興奮と感動を味わえるだけでなく、「やっぱ青春っていいな…」と心から思わせてくれるような作品。

まだ読んだことがないという方はぜひ一度読んでみていただければと思います。

この記事が「一瞬の風になれ」を皆さんが知り、実際に読んで心震わす体験をするきっかけとなれば幸いです!