「東野圭吾最高傑作」との呼び声も高く、国内外でドラマ化、映画化もされた「白夜行」
数ある東野圭吾さんの作品の中でも、極めて評価が高く、彼を語る上では外すことができない作品です。
その構成や登場人物の描写、ラストの衝撃の展開など、どれを取っても見事です。
僕自身、一度読み、ドラマも観て、その上で再読しても面白さが色褪せることなく、むしろ深みや凄みを感じさせてくれる一冊です。
今回はそんな「白夜行」のあらすじとおすすめポイントをご紹介していきたいと思います!
この作品の凄さを知りたいという方にぜひ読んでいただきたい内容です。
それでは早速いきましょう!
「白夜行」のあらすじ
大阪で起きた、とある殺人事件の被害者である桐原亮司と「容疑者」の娘である西本雪穂。
2人は事件以後、一切関わらないままそれぞれ真逆の人生を歩む。
亮司は世間から逃れ、まるで闇の中を生きるような人生を送る。
一方雪穂は成功と幸せを手にし、太陽の下を歩くがごとく、華やかな人生を送る。
しかし、そこにはどこか互いの影が潜む気配がある。二人の周りでたて続けに起こる犯罪。しかしそれらを裏付ける証拠は一切出てこない。
二人の間には一体どんな関係があるのだろうか。また二人がそこまでして、隠そうとする事実とは何なのか。
そんな亮司と雪穂、2人の壮絶な19年が描かれます。
「白夜行」の魅力
「人間の狂気と闇」
「ここで嘘をつくと、ずっと嘘をつかなあかんことになりますよ」
作中序盤で何気なく出てくるこの言葉の通り、1つの嘘から人生を大きく狂わせていく亮司と雪穂の2人の姿が印象的です。
人間の闇や狂気といったものを、これでもかというほど味わうことができます。
自らの利益や存在を脅かす者への対処をここまで徹底的かつ残酷になすことができるのか、と驚かされます。
それと同等の「人間の純粋さや敬虔さ」
しかし前述した人間の暗い面だけでなく、どこか人間の純粋さや敬虔さのようなものをも亮司と雪穂の2人から感じることができるのが、この作品の面白いところです。
「大事な人のためなら、どこまでも残酷になることができる」
これがどういうことなのかということを二人の様子から、深く味わうことができます。
「人間の闇と純粋さの共存」
このある種の矛盾が、この作品の奥深い面白さに繋がっているのではないかと思います。
正直この矛盾を言葉で表すのは困難なので、ぜひ原作を読んでみていただきたいです。
きっとこの言葉の意味がわかっていただけると思います。
衝撃のラスト
ラストはとても衝撃的で、鳥肌が抑えられなくなること間違いなしです。
800ページ超えの長編ですが、このラストを味わうためなら、乗り越える価値が十分にあります。
(途中も非常に引き込まれる内容なので、あっという間に感じてしまう方も多いかもしれません)
「最後の一文を書くために、この長い物語があったのではないか」とさえ思わされます。
また、事実関係は完璧に整理しながらも、2人の内面の描写がほとんど描かれずに終わる点も特徴的です。
読み切った人が読後に各々の物語を描くことができる。
そんな楽しみ方も可能で、読後は爽快感を感じると共に、深く考えもさせられる一冊です。
まとめ
今回は「白夜行」のあらすじとおすすめポイントを紹介させていただきました!
数ある東野圭吾さんの作品の中でも、傑作の1つであることは間違いありません。
作中にも出てくる「風と共に去りぬ」の内容も抑えることで、より一層この作品を味わえるのでおすすめ。
「このスカーレットが雪穂のモデルなんだなー」ということを感じることができたりするのが面白かったりします笑
「白夜行」が気になってはいるけどまだの方は、ぜひ一度読んでいただければと思います。
この記事が、皆さんが「白夜行」の良さに気づき、心動かされる体験をするきっかけとなれば幸いです!