老若男女問わず非常に多くの人たちから支持され、邦楽界で絶大な存在感を放つ米津玄師さん。
彼ほど「天才」と呼ぶに相応しい人物もそうそういないでしょう。
「ミュージシャン」という枠にまったく収まりきってないと言えるほどの魅力と凄さが、彼の楽曲にはあります。
しかしあまり関心がない方は、なんでコイツは熱くなってるのかと疑問に思う方も多いはず。
そこで今回は、米津玄師さんの楽曲の魅力と凄さを10の観点から全力で紹介していきたいと思います!
- 米津玄師の曲をあまり知らない
- 米津玄師の魅力を知りたい
- より深く彼の作品を味わいたい
そんな方にぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは早速いきましょう!
米津玄師の10の魅力と凄さ
- 巧みな比喩表現
- 美しいメロディと歌詞
- 一つの物語
- 「リメイク」
- メッセージ性
- 哲学的な歌詞
- キリスト教の世界観
- 子供にも届くような音楽
- 王道ロック
- 中毒性の高いサウンド
米津さんの楽曲を聴き込みまくった上で感じる魅力と凄さが以上10個の点です。
以下ではこれらの魅力を一つ一つ深ぼった上で、その魅力を多く含んだ楽曲を紹介していこうと思います。
なかなかボリューミーな内容ですが、お付き合いいただければ幸いです。
巧みな比喩表現
米津さんの楽曲にたびたび登場する比喩表現。
それは歌詞に入っていたり、曲名になっていたりと様々ですが、どれもが絶妙なものばかりで毎回唸らされます。
抽象的なものも実際に存在するものに置き換えられると、すっと理解できる。
米津さんの楽曲ではそんな体験を頻繁に味わうことができます。
Lemon
言わずと知れた彼の名曲「Lemon」
亡くなった人への気持ちがレモンに喩えられています。
苦く苦しい気持ちと同時に、レモンから感じる爽快さと瑞々しさから、いつまでも褪せない死者へのプラスの感情を読み取ることができます。
マイナスとプラスの感情が混ざった死者への思いが、レモンという果実により絶妙に表現されています。
一見何の関係性のない二つを結びつけ、より響く歌詞を生み出す能力には、才能を感じざるを得ません。
メトロノーム
あるカップルの別れに伴う感情とその後を描いた一曲「メトロノーム」
互いの距離が徐々に離れていく様子をメトロノームに喩える表現は秀逸です。
この曲でも一見なんの繋がりがないものを結びつけるのが非常に上手いです…
Flowerwall
目の前に迫る「良いとも悪いともとれないもの」を「Flowerwall」つまり「花の壁」に喩えている一曲です。
それに対して「どうせわからないのなら、自分たちでその良し悪しの判断をしてしまおう」と
ポジティブなメッセージを届けてくれるのは、米津さんらしいです。
音楽も唯一無二のサウンドを楽しむことができ、彼の才能をこれでもかというほど感じることができる一曲です。
美しいメロディと歌詞
米津さんの楽曲には、すごくシンプルな曲調とその歌声で「美しさ」をありありと感じることができるものが多いです。
歌詞では巧みに韻が踏まれるなど、日本語の持つ響きの美しさを感じることができます。
彼が紡ぎだす文学性すら感じる歌詞には日本語という言語の可能性を再確認させてくれるような魅力があります。
また文章から美しい情景が想い起こされるのも魅力的。楽曲を聴いている中で、歌詞にある景色が目に浮かぶような体験をすることができるんですよね。
そして歌詞から匂いや味を感じたり、音楽による聴覚はもちろん、その他の五感を満たされるような感覚になれるのも凄いところ。
これも詩人や小説家も顔負けするほどの米津さんの文章力の高さゆえでしょう。
米津さん自身も「美しい」という言葉をインタビューなどでよく使っていることからも、この点は非常に重きを置いている点であると思われます。
orion
二人の関係を星座になぞらえて歌ったラブソング「orion」
聞いていると満天の星空が頭に浮かんできます。
寒い冬の夜に聞きたくなる一曲です。
Pale Blue
米津さんが満を持して作ったというラブソング「Pale Blue ]
メロディーや歌詞だけでなく、MVも含めて非常に美しい曲です。
一つの物語
米津さんの楽曲には、一つの短編小説を読んだかのような気分にさせてくれるものが多くあります。
彼の手から紡ぎ出される物語は非常に繊細で、聴くものの心を揺り動かす力を持っています。
アイネクライネ
自分を好きになれない一人の少女が、ありのままの自分を認めてくれる男の子出会い、変化していく物語です。
このような出会いに憧れてしまうような一曲です。
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花に嵐
いじめに遭っていた子が、救いの手を差し伸べてくれた子への感謝の想いやそれを直接伝えられなかった後悔を歌った一曲。
心情の描写がとても繊細で、個人的にイチ押しの一曲です。
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海と山椒魚
井伏鱒二の「山椒魚」がモチーフになっているという一曲。
病に苦しむ者への思いが切実に歌われています。
燦々と日が照りつける夏に聞きたくなる一曲です。
「リメイク」
米津さんは元からある作品を独自に解釈し、その世界観を自らの楽曲に落とし込むのが非常に上手いです。
タイアップとして作品に沿った楽曲を提供することは他のアーティストでもよくありますが、こうした形で自らの楽曲にするのは他にないポイントのように思われます。
以下ではそんな「リメイク」を感じられるような楽曲を見ていきましょう!
カムパネルラ
彼自身好きだと語る宮澤賢治の名作「銀河鉄道の夜」がモチーフになっている一曲。
その登場人物「カムパネルラ」について、残された者の立場から語られているような歌詞が印象的です。
メロディも不思議な雰囲気が漂い、独特の世界観を形成しています。
灰色と青
北野映画の「キッズ・リターン」がモチーフになっている一曲。
時を超えた男同士の友情が美しい歌詞と共にありありと描かれます。
一見米津さんと正反対に見える菅田将暉さんの歌声がこの曲をより一層エモーショナルなものにしています。
死神
落語の有名演目「死神」がモチーフになっている一曲。
米津さんの遊び心がメロディや歌詞にふんだんに盛り込まれているのを感じることができます。
元の作品の世界観を踏襲しながら、彼自身の解釈と表現が加わることで完全に「オリジナル」な作品になっています。
メッセージ性
米津さんの楽曲は、時に力強く、時に優しく、聴く者の背中を押してくれます。
自身も人生に悩み、苦しんだという米津さん。
そんな彼だからこそ、弱った者の心に寄り添いながら、前へ進むことを導くようなメッセージを届けてくれます。
LOSER
自身を「負け犬」と表現しながら、「負け犬」でも、いや「負け犬」だからこそ臆せず、挑戦することを促してくれる一曲。
「LOSER」という曲名でありながら、非常に前向きでプラスのメッセージに満ちているあたりに米津さんのセンスが感じられます。
アンビリーバーズ
目標に向けて努力する人や世間ではなかなか認めてもらえないような形で頑張る人の全てを受け止め、応援してくれるような一曲です。
先が見えないような不安の中で聞くと、どこか救われたような気持ちになれ、また頑張ろうという気持ちにさせてくれます。
リビングデット・ユース
若い頃に自身も生きづらさを感じ、苦悩を感じながら生きていたという米津さん。
そんな彼が同じような境遇の人たちに向けて、歌ったからこそ、今生きづらさを感じ、苦しんでいる人の心に響き、前へと突き動かすパワーを持つ一曲です。
(軽量化のため、ページを分けますがご了承ください)