2012年マンガ大賞にノミネートされ、累計500万冊以上発行。
アニメ化と実写映画化、舞台化もされている「四月は君の嘘」
通称「君嘘」
なぜここまでリメイクされ続けるのかというと、やはりそれは原作のストーリーの圧倒的な完成度の高さゆえでしょう。
「青春×音楽×恋」がテーマの実に美しい物語で、ラストは感動必至。
「泣けるマンガ」としても有名で、個人的に「記憶を消してまた見たい作品」の筆頭格です。
またストーリーはもちろん、それ以外の音楽や心理表現の部分も非常に素晴らしいというのも魅力的。
今回は、そんな心からおすすめできる「四月は君の嘘」のあらすじと魅力を紹介していきたいと思います!
- 「四月は君の嘘」の魅力を知りたい
- 心動かされる作品に出会いたい
そんな方にぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは早速いきましょう!
「四月は君の嘘」のあらすじ
12歳の時、母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった元天才ピアノ少年 有馬公正。
彼の日常は、モノトーンのように色を失っていた。
そんなある日、公正は個性的で才能溢れるヴァイオリニスト 宮園かをりと出会う。
かをりとの出会いを機に、公正は再び音楽の世界へと足を踏み入れたことで、徐々に彼の日常は「カラフル」に色付いていく。
しかし、次第にかをりが抱える秘密が明らかになっていく。少女の体には重い病があり、その身を蝕んでいたのだ。
徐々に弱っていくかをりの様子にかつての母を重ねながらも、公正は今の自分にできることを必死に考える。
そして迎えた東日本ピアノコンクール。果たして、公正の懸命の思いはかをりに届くのか。
そしてラストで明らかになる、かをりのついた1つの「嘘」とは…
「四月は君の嘘」の魅力
音楽
演奏描写
まずこの作品の魅力の一つは、音楽の描写にあると言えます。
「聞こえる音楽」
と言わしめるその演奏描写には、唯一無二の素晴らしさがあります。
独特のカットで描かれる躍動感あふれる描写は、一気に読者を引き込むため読んでいてページをめくる手が止まらなくなるんですよね…
その演奏描写の素晴らしさには「ONE PIECE」の作者 尾田栄一郎さんも絶賛したというほど。
作品の中で流れるように描かれるその演奏描写を、ぜひ一度実際に原作を手に取って感じてみていただきたいです!
同じ絵も漫画の流れの中で見ることで、全く違った受け取り方ができることに驚くこと間違いなしです…
「音楽の力」を感じる
この作品は前半、公正がトラウマを乗り越えていくまでの様子が音楽群像劇のような形で描かれます。
かをりはもちろん、相座武士や井川絵美といったライバルたちとの切磋琢磨が公正を成長させていきます。
こうしたキャラクターひとり一人が公正への思いを抱えているのが面白いところ。
あくまで物語は主人公の公正を中心に回っていきます。
そしてそんな中では「音楽の力」というものをありありと感じることができます。
自分の内にある思いを音楽として表現することで聴く者の「心」を動かし、その未来までを変えてしまうようなパワー。
音楽の持つ果てしない可能性や人を動かす力といったものを、この作品では存分に味わうことができるんですよね…
音楽への見方が少し変わってしまうような影響力がこの「君嘘」にはあるのかもしれません。
青春
「変化」の葛藤
この作品では青春時代特有の自らの将来に対してや、身の回りの環境や人間関係の「変化」に対する葛藤がしっかりと描かれます。
これらに対してしっかりと向き合い、大人のピアニストとして成長した公正。
曖昧なまま終わらせずに自分の気持ちを受け止めて前に一歩踏み出すことができた椿。
全てを理解した上で公正やかをりのために圧倒的な友情を見せてくれた渡。
登場人物それぞれから青春を形作る要素の一つ一つを感じることができるんですよね。
自らの「あの頃」を思い出して懐かしくなれるだけでなく、青春を生きる様子から自分もポジティブな影響を受けることができるような部分もあります。
母との関係
青春時代には自らの親との関係を考えさせられるということもしばしば。
生前、公正にスパルタとも言える厳しい指導を行い、トラウマの原因となってしまった母。
物語の中盤では、その母の本当の思いが明らかにされていきます。
公正が母の思いに気づいた上で母と「訣別」し、演奏家として成長するシーンは作中でも印象的なシーンの1つ。
普段は当たり前すぎて気付けない、母の優しさや思いといったものに、もう一度目を向けさせてくれるような魅力もこの「君嘘」にはあります。
2人の「美しい」物語
物語の終盤は、公正とかをりの2人が必死に運命に抗っていく姿が描かれます。
自分を変えてくれたかをりに対し、今度は自分が何か力になれないかと必死に考える公正の姿には胸を打たれること間違いなし…
体調が悪化する中で自分の将来に対して絶望しかけるかをりを、次は公正が救おうとする中でお互いの立場が前半と入れ替わっている様子にもハッとさせられます。
公正の思いに突き動かされ、未来を信じてまた前へと歩き出すかをり。
そして最後は目の前の試練を乗り越えようと、2人で必死にあがき続けます。
そんな一縷の可能性を信じて必死にあがく14歳の懸命な姿からは、何かを感じずにはいられないような力があります。
感動必至のラストはどのような結末を迎えるのかは、ぜひ原作を読んでいただきたいです…
見事な「タイトル回収」に震え、もう一度はじめから読み直したくなること間違いなしです。
「2度目」はまた違った視点から味わえる良さも、この「四月は君の嘘」にはあります。
おすすめです。
まとめ
今回は「四月は君の嘘」のあらすじと魅力を紹介させていただきました!
「青春×音楽×恋」の物語で、ラストは感動必至の名作「四月は君の嘘」
個人的に「推せる漫画」の5本の指に入ってくる作品です。
まだ読んだことがないという方はぜひ一度読んでいただきたいです…
さらに深くこの作品を楽しみたいという方は、物語にも出てくる「いちご同盟」を合わせて読むのもおすすめ。
作中にはこの小説からのオマージュが数多くあることに気づくことができます。(ラヴェルや車に轢かれる描写、音楽とは相容れない幼なじみの設定などなど)
またアニメも非常に素晴らしいのでこちらもオススメ!
「音楽が聞こえたらな」「かをりたちが体験した”カラフル”な音が味わえたらな」
という読者の思いを、見事に叶えてくれています。
こちらもまだの方はぜひ!
この記事が、皆さんが「四月は君の嘘」の魅力を知って実際に本書を読み、心動かされる体験をするきっかけとなれば幸いです!
「マンガBANG」は「四月は君の嘘」も取り扱ってるので、まだの方はこちらもチェックしていただければと思います。